【クラシックホテルシリーズ③】富士屋ホテル

富士屋ホテルエントランス ホテル・旅館

こんにちは。今日はクラシックホテル巡り第3弾、富士屋ホテルの宿泊記です。富士屋ホテルは言わずと知れた箱根宮ノ下にある1878年創業の老舗リゾートホテルです。

昨年のクリスマスシーズンに宿泊した際の記憶を残します。

富士屋ホテル
【所在地】神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
【アクセス】箱根登山鉄道 宮ノ下駅徒歩 7分
【公式サイト】https://www.fujiyahotel.jp/

今回もクラシックホテルパスポートのスタンプをゲットしました。

クラシックホテルについてはこちらをどうぞ↓

富士屋ホテルの歴史

富士屋ホテルは、1878年に日本初の本格的リゾートホテルとして、箱根・宮ノ下に開業しました。創業者は山口仙之助で、当初の顧客のメインは外国人でした。その後の3代目の山口正造は富士屋ホテルを発展させた黄金期の経営者ですが、金谷ホテルから婿としてきており、クラシックホテル同士のつながりがあるのが興味深いです。皇室やチャップリン、ジョン・レノン夫妻など多くの有名人が宿泊しています。ジョン・レノンは万平ホテルもお気に入りでしたね。

富士屋ホテルはかなり広い敷地に庭園や木々があり、そこに和洋折衷や和風の建物が並んでいるのですが、どんどん増改築を繰り返しているのが特徴的です。その建物の多くが登録有形文化財です。2018年から休業し、2年間大改修を行い、2020年にリニューアルしました。客室のグレードアップやスパの新設、そしてカスケードウイングが建て替えられ、敷地には現在8つの建物が建っています。

富士屋ホテル宿泊記

箱根登山鉄道宮ノ下駅はこじんまりとした駅です。駅から出て道なりに10分ほどでホテルに着きます。途中にカフェなどのお店がいくつか並んでいました。

こちらが富士屋ホテル入口です。木々が生い茂る中に建物がいくつか見えます。

右手の和風建築は食堂棟です。石段を登り赤い橋を渡ると、左手の建物が目立ちます。「花御殿」という富士屋ホテル集大成の建物です。

手前のメインエントランスのある建物が本館、そのすぐ左手が西洋館です。西洋館は洋風に見えてエントランスは和風の玄関になっています。西洋館の奥の黄色い建物がフォレスト・ウイングです。

本館は和風建築ですが少し洋風が混ざっているような外観です。外から見ると日本式建築の建物がたくさんありますが、こう見えて中のお部屋は洋室となっているのが不思議な感じがします。外観は和、中は洋…クラシックホテルでは奈良ホテルもそうでした。

地階のエントランスから本館館内に入ります。

回転式ドアから入り、赤い階段を登ります。この赤い手すりの階段はかなり和風のきらびやかな印象でした。龍のようなオブジェもついています。フロントのある1階へ階段を登ると左にはサンパーラー。

外はテラスで、こちらはテラスへ続く回転扉。テラスからは箱根の山々を見ることができます。右手は花御殿です。

フロント横には本館客室への赤いじゅうたんの大階段とマジックルーム(ロビー)。西洋館に続く廊下にあるラウンジからは日本庭園を見渡せます。ここから一気に洋風の雰囲気です。でも階段の横には写真に少し写っているとおり、石の仏像が置かれていてなんだかオリエンタルな感じです…

旧御用別邸菊華荘とベーカリーショップのピコット以外の建物は全て内部でつながっているので、館内はとても広く感じます。どこにいるかなかなか把握できずまるで迷路のようです。笑

館内はこちらの各種パンフレットダウンロードページのフロアガイドがわかりやすいと思います。https://www.fujiyahotel.jp/news/pamphlet.html

西洋館の客室

著名人が多く泊まり、客室が花の名前で、豪華な内装やルームキーには部屋名にちなんだ花のモチーフが散りばめられている花御殿も気になりますが、このとき泊まったのは西洋館ヒストリックデラックスハリウッドツインです。西洋館は本館のすぐ横の白い建物です。明治39年(1906年)建築で、1号館「カムフィ・ロッジ」、2号館「レストフル・コテージ」からなります。西洋館は比較的改造が少なく、創建時の姿が保たれているということで、クラシックホテル好きにはたまりません。

ヒストリックデラックスハリウッドツインは広めのお部屋で、ソファもあり、ゆったりしています。窓が大きく、天井も高いです。お手洗いも独立しており、手洗いカウンター付きです。素晴らしい!

2020年のリニューアルで改装されたのですが、部屋の壁紙のピンク色に注目です。室内の白だと思われていた壁が、当初はピンク色だったことが判り、当時を再現した壁の色に塗り替えられました。その部屋の一つがこちらのヒストリックデラックスハリウッドツインです。

庭園

約5000坪の庭園をお散歩しました。到着した夕方と翌朝に歩きました。高低差もあり、散策すると軽い運動になります。2020年の改装で庭園も一部リニューアルされたようです。季節ごとにさくらやあじさいなどの花や木を楽しめ、このときはぎりぎり紅葉がまだ残っていました。

本館から庭園に入ります。赤い手すりの先にはすぐに案内図と小さな滝、池があります。鯉がいますね。

石段を上がっていくと水車小屋です。横には五重の石灯籠があり、和の景色です。周囲は夕方だと少し暗いですが、ところどころ明かりが灯されています。昼だと紅葉とのコントラストが美しいです。

さらに上がるとガーデンチャペルの幸福の丘です。緑に囲まれた結婚式が挙げられそうです。

そのすぐ近くには温室をリニューアルしてできたハーブガーデンがあり、12種類のハーブが植えられているそうです。このときは遅かったので中には入れずでした。写真ではすぐ側に山と月があり、箱根の山の中らしい風景です。

下を見ると本館や西洋館があり、なかなか上がってきましたね。小高い丘になっており、傾斜のある庭園です。

館内散策

フロアガイドを元に散策しました。花御殿、フォレスト・ウィングに見どころがたくさんあります。本館から廊下を歩いて移動します。

クラシック・チャペル

花御殿の地下一階にあります。厳かな雰囲気のチャペルです。横にはピアノがおいてある部屋もありました。ガーデンチャペルかこちらか、神前式だと箱根神社を選んで挙式ができるようです。披露宴はカスケード・ウィングのバンケットか、菊華荘で行えるようです。

ホテル・ミュージアム

チャペルのすぐ近くはリニューアルで新しくできた資料館です。クラシックホテル宿泊においてその歴史を知ることは重要な旅の目的です。ミュージアム楽しみにしていましたが、広い!すごい!!

ホテル創設からの歴史はボードで写真つきでかなりわかりやすく説明されています。誰がホテルを訪れたのかも写真とエピソード付きで展示がされており、開業当時の調度品や貴重な資料も見ることができます。かなりがっつり勉強できました!

フォレスト・ラウンジと廊下

花御殿の1階からフォレスト・ウィングに進みます。途中の廊下がギャラリーになっており、富士屋ホテルの変遷が写真で紹介されています。

こちらがフォレスト・ウィング2階にある宿泊者専用のラウンジです。

富士屋ホテルや箱根、日本に関する本が約600冊あります。読みたい本を手に取りゆったり過ごすことができます。

なお、6階が宿泊者専用のスパです。

メインダイニングルーム ザ・フジヤ

館内散策を終え、食堂棟のザ・フジヤで夕食です。ザ・フジヤは昭和5年より90年以上に続くメインダイニングルームです。クリスマスシーズンということで、入口にはワインボトルのクリスマスツリーが飾られています。おしゃれですね。

中はクラシックですが、やはり和洋折衷です。天井を見上げると植物が描かれた格子天井、窓についている御簾(すだれ、のれん?)はい草でできており、壁についている明かりは和風の行灯です。柱の下の方には建築当時の3代目山口正造がモデルの青い鬼のようなモチーフも刻まれています。

さて、この日は奮発してフルのコースをいただきました!まず、お皿は大倉陶園。ショーケースにも飾られていました。

印象としてはもだんというよりは伝統的なフレンチコースで、どのお食事も美味しくいただけました。

カリフラワーのフォンダンに甲殻類のジュレ カニサラダを添えて

前菜にジュレ、器とジュレがとても美しいです。

蝦夷鹿のパテアンクルート 青りんごのピュレにピクルスと野菜を添えて

青りんごとジビエのマリアージュ。ピクルスの赤色が綺麗です。

エシレバターと大倉陶園のお皿。贅沢です。。

マッシュルームのクリームスープ

マッシュルーム感たっぷりで美味しかったです。

金目鯛と蕪のブレゼ ジュドコキヤージュ 柚子の香り

ジュドコキヤージュは貝出汁。柚子もあって和風な印象。

お口直しのグラニテ

牛フィレ肉のポワレにブロッコリーのフラン 季節の野菜 黒トリュフの香るペリグーソース

フランは写真左上の野菜のプリン。黒トリュフもかかり、王道のメインという感じです。

苺のフレジェとシャーベット

可愛らしい盛り付けでした。

稀有な素材を使ったり、奇をてらったり、デコレーションがすごい見た目のインパクトがある料理というより、全体的に結婚式のコースのような王道の伝統の美味しいフレンチという印象でした。サーブもスムーズだったと思います。

このあとはフォレスト・ウィングのスパに行き、お腹いっぱいでお部屋でぐっすり眠れました。

菊華荘

翌朝の朝食です。菊華荘での和食を選択しました。菊華荘は明治28年、皇室の宮ノ下御用邸として造営された由緒ある純日本建築の建物で、日本庭園に囲まれています。本館から離れており、道路を渡って歩いていきます。

待合室で少し待ったあとに朝食会場へ。人が多く、室内は撮れませんでしたが、畳の広い和室でのテーブル食でした。和朝食は写真のとおりです。白ご飯かおかゆを選ぶことができます。朝から由緒ある料亭でほっこり温かい和食を食べるのは贅沢な時間でした。

食べ終わったあとに周囲を少し散策。写真のとおり、木々に囲まれており、建物内からも庭園が見えました。池もある立派な庭園です。

クラシックホテルパスポート

朝食後は再び庭園を散策したり、テラスに出たり、富士屋ホテルを満喫しました。チェックアウト前にはクラシックホテルパスポートにスタンプもいただきました。

富士屋ホテルはスタンプ以外にポストカードやラゲッジタグもパスポートに挟んでくれていました。とても気遣いが感じられて素敵でした!これまで訪れたクラシックホテルの中でもかなり手厚いサービスです。

ベーカリー&スイーツ ピコット

チェックアウト後、大通り沿いのベーカリー&スイーツピコットへ。富士屋ホテルのベーカリーシェフパティシエの焼きたてパンとスイーツを楽しめるお店です。パンはホテルでも提供されています。カレーパンやアップルパイが有名のようで、まだ朝10時くらいだったかと思いますが、行列していました。

このときはイートインでゆっくりアップルパイとコーヒーをいただきました。りんごたっぷりの甘酸っぱいパイでした。価格はホテルベーカリーということで少し高めです。

まとめ

富士屋ホテルの特徴はなんといっても和洋折衷の建物群です。外観は和風で、中は和風の装飾がありながらも洋風、お部屋は洋室となっており、海外の方にとってはエキゾチックな印象を持つのではないでしょうか。長い歴史を持ちながらリニューアルしてもその良さはそのまま、ミュージアムが新しく作られたり、カスケードウィングが建て替えられたり、ますます美しく洗練されました。

夕食や朝食のレストランからは格式の高さや伝統を感じました。クラシックな老舗リゾートホテルとして、多くの旅行客を受け入れる佇まいとその価値を感じました。行き届いたサービスやホスピタリティを含め、上質な素晴らしいホテルでした。

館内は建物同士がつながっておりかなり広く、迷ってしまうほどです。クラシックな館内を探索して楽しめることこそクラシックホテルの魅力だと思います。

富士屋ホテルでの体験を動画にまとめましたので、こちらもご覧ください!

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